Firm Default Prediction by GNN with Gravity-Model Informed Neighbor Node Sampling
Naoto Minakawa, Kiyoshi Izumi, Yuri Murayama and Hiroki Sakaji

概要
昨今、企業の倒産予測において機械学習手法の活用が盛んである。グラフ・ネットワークデータに対しての深層学習であるグラフニューラルネットワーク(GNN)を用いることで、予測対象企業の属性・財務情報等に加えて、当該企業のみならず、取引先企業のそうした情報を加味して予測を行うことが可能となる。標準的なGNNの手法では、大規模なネットワークの場合にランダムに近傍ノード(=取引先企業)を選んで集約するといったアプローチを取るが、倒産予測に際してはどの企業の情報を優先的に考慮するかがポイントになる。そこで、企業間取引量が売上高の冪乗の積に比例するという先行研究における重力則をGNNの近傍ノードサンプリングに適用することで、取引量が得られない環境下でも、擬似的に取引量の大きい取引先の属性・財務情報などを集約し、予測に活用することが可能になる。本研究では、実際にTSR社の保有する企業間ネットワークデータを用いて、提案手法により安定的な予測が可能であることを実証実験で確認した。今後の展望として、取引量が一部でも得られる場合はそれらを用いて重力則のパラメータを最適化出来ること、深層学習のフレームワークに落とし込んでいることから企業概況のテキスト情報もマージして活用可能なことなどが挙げられる。
参照
"Firm Default Prediction by GNN with Gravity-Model Informed Neighbor Node Sampling", Naoto Minakawa, Kiyoshi Izumi, Yuri Murayama and Hiroki Sakaji, The Review of Socionetwork Strategies (2024).
DOI: https://doi.org/10.1007/s12626-024-00170-6.