CEO Gender Bias in the Formation of Firm-to-Firm Transactions

Written by

Yutaro Izumi, Hitoshi Shigeoka and Masayuki Yagasaki

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概要

CEOに占める女性の割合は低い。しかし、ビジネス環境において彼女たちが直面する障壁はまだ十分に理解されていません。本研究では、TSR社が保有する日本企業約100万社の取引データを用い、CEOのビジネス・ネットワーク形成におけるジェンダー・バイアスについて調べました。その結果、CEOが同性同士の場合は、異性同士である場合に比べて、5%ほど有意に取引をする確率が高いことがわかりました。また、CEO自身が取引に強く関与していると推測される中小企業で特にその傾向が強く、大企業が関与する取引ではその傾向は見られませんでした。CEOの多くが男性である現状では、このような同性を好む傾向(同性バイアス)は、男性CEOに比べて女性の取引機会を減少させると考えられます。次に、このような同性バイアスがなぜ生じるかについて、内閣府と共同でCEOへのアンケート調査を行いました。その結果、1)男性CEOが女性CEOと知り合う機会があまりない、2)男性CEOが女性CEOよりも男性CEOとの交流をより好む、の2点が観測され、これらの要因が同性バイアスを発生させていると考えられます。

参照

"CEO Gender Bias in the Formation of Firm-to-Firm Transactions", Yutaro Izumi, Hitoshi Shigeoka and Masayuki Yagasaki, NBER Working Paper 31616 (2023).
DOI: 10.3386/w31616.