The impact of COVID-19 on Japanese firms: mobility and resilience via remote work
Written by
Daiji Kawaguchi, Sagiri Kitao and Manabu Nose

概要
新型コロナの感染が拡大する中で行われた日本企業を対象とした独自の調査を用いて、新型コロナの感染拡大が企業の売上高、雇用、従業員一人当たりの労働時間に与えた影響、およびマイナスの影響を緩和する上での在宅勤務の役割を推定する。その結果、政府による非常事態宣言と感染への懸念によって引き起こされた移動の低下が、企業の活動を大幅に縮小させたことが分かった。平均して、移動が10%低下すると、売上高は2.8%、労働時間は2.1%減少した。その一方で、雇用には影響しなかった。このような雇用反応の鈍さは、日本におけるCOVID-19の期間中の雇用量の変化が限定的であったことと整合的である。また、新型コロナ感染拡大より前に在宅勤務を取り入れていた企業では、売上高で55%、労働時間で35%のマイナスの影響が緩和されたことがわかった。また、 在宅勤務従業員を増やすことで新型コロナに対応し、売上高と労働時間に対するマイナスの影響を緩和することによって雇用調整助成金の申請確率を低下させることも分かった。
参照
"The impact of COVID-19 on Japanese firms: mobility and resilience via remote work", Daiji Kawaguchi, Sagiri Kitao and Manabu Nose, International Tax and Public Finance, 29, 1419 (2022).